カイタイコバユー企画、最後のトリを飾っていただいたAR三兄弟は、7月29日に渋谷SUNDAY ISSUEで行われたカイタイコバユー展示イベント『コバユー解体SHOW』で、生対談&生解体をしていただきました。前日から徹夜で作品を作り、本番直前まで手直しをしていたというAR三兄弟の3人。どんな意図でこの作品が出来上がったのか、当日のトークショーの様子をまとめました。

AR三兄弟(川田): カイタイコバユー第6弾ということで、僕らついさっきまで作品を作っていまして、今しがたやっと出来ました。

AR三兄弟(小笠原): 出来ました。

コバユー: そう、何が出来たんだろーって思って。

AR三兄弟(川田): 僕らは「小指ほどのPRIDE」という曲を選びまして、まず考えたのは、コバユーさんの歌の世界から、歌詞もそうだし…なんだろ(笑)。大体僕は、技術的なところとビジュアル的なところが同時に浮かぶタイプなんですけど、宇宙を覗く万華鏡を作りたいなと思ったんですよ。

コバユー: 宇宙を覗く?

AR三兄弟(川田): うん、宇宙を覗く万華鏡。

コバユー: はい、覗きたいです私も。

AR三兄弟(川田): 万華鏡って、小っちゃいものを覗くじゃないですか。小っちゃいものを覗いてあんなにすごいから、だから広大なものを覗いたら、今まで見たことないものになるんじゃないかなと思いまして、それをやってみたいなと。

コバユー: え、宇宙を覗く…万華鏡?

AR三兄弟(川田): 「小指ほどのPRIDE」だから、小指は形があるもので、プライドは形がないじゃないですか。

コバユー: ないですね。

AR三兄弟(川田): ないので、外面をまずなぞって、なぞったものからだんだんと内宇宙になっていくというか、形が出来て、だんだん空間をおびてきて、宇宙遊泳みたいなことができて…。万華鏡ってこういう分割の半面の連続性なんですけど、そこを見まして、で、なんかラインがひかれて…みたいなことを考えたんですよ。

コバユー: ということは、外…側…がキーポイントになってるということですか?

AR三兄弟(川田): 外側で示したものが内側を示す何かになって、本来狭いはずのものを覗いてる自分が広いものを見てるというか、そういうものを歌の世界と合わせて作ってみたのがこれなんですよ。


川田さんが描く「小指ほどのPRIDE」のプロット。

コバユー: どうなるんだろう。

AR三兄弟(川田): ちょっとね、コレヤバいですよ。あんま、ハードル上げない方がいい(笑)?どうする?

コバユー: すっごい興味ある!

AR三兄弟(川田): 大風呂敷広げるタイプにする?

AR三兄弟(小笠原): はい。

AR三兄弟(川田): ヤバいですよ皆さん。僕たちね、3年やってきましたけど、最高傑作。

コバユー: わーお。

AR三兄弟(川田): ここにきてね。コレも…コレコバユーさんに似てる人を描いたんですけどね。

コバユー: どうして似てる人を描いたの?

AR三兄弟(川田): 似てる人にたまに会うんですよ。

コバユー: 違う違う、どっちもコバユーなの!


金髪のコバユーと、黒髪の”コバユーに似てる人”らしい。

AR三兄弟(川田): コバユーさんと似てる人とよく打ち合わせをしてて、コバユーさんとなかなか会えなかったっていうね。

コバユー: ううん。

AR三兄弟(川田): これたぶん、あんまウケないだろうにずーっとやってて楽しいですけどね。

コバユー: 何でそんなに何回もいじめるの?

AR三兄弟(川田): 今日に至るまでちょっとコスりすぎたね。ちょっと反省してます。あの…作品を見ますか?

AR三兄弟(小笠原): あれじゃないの?オケ…。

AR三兄弟(川田): あ、そっか。どうする?

AR三兄弟(小笠原): 後でにする?

AR三兄弟(川田): え、じゃあコレ見せない?えっと後でコバユーさんライブがあるんですけど、ライブの時にやりますか?

コバユー: え、なになに?

AR三兄弟(小笠原): その方がいいんじゃないですかね。

AR三兄弟(川田): そうしますかね。

コバユー: えー、もったいぶってる。


本当にさっき出来たばかりで、リハーサルもしていない。大丈夫なんだろうか…。

AR三兄弟(川田): さっき完成したんだよ?うまくいくかどうかわかんないよ?

AR三兄弟(小笠原): やりますか。

コバユー: えーちょっと待ってちょっと待って、何を外壁、外壁ってか外側の…にするんですか?

AR三兄弟(川田): なんでも大丈夫です。「小指ほどのPRIDE」の小指にあたるものを何かカメラの前に、パソコンの前に持ってきて、スタートすれば、それの物語が始まるというものになってるんで…。

コバユー: ん…ちんぷんかんぷん(笑)。

AR三兄弟(川田): コバユーさんがこの後に、ライブやるじゃないですか。今、コバユー菌を預かって、コバユー菌を元にやりますかね?

AR三兄弟(小笠原): はい。

AR三兄弟(川田): はい、これを元に、じゃあ後でやりますか?…あ、これなに?時間巻きすぎた(笑)?巻き過ぎのパターン?じゃあ何かじゃあ、ARって何か知ってますか皆さん。ARとはってのちょっとやりますか?

コバユー: うん。


カクメットについているARマーカーをウェブカメラに認識させると、そこからビームが出るというAR三兄弟の定番ネタ。2つのビームが交差すると爆発を起こす。

AR三兄弟(川田): はい、ARってね、こういうことだっていうのをね、やりましょうか。…コレ、ARですね。コレ、今ちょうど出てるのがAR。今交差したのがARですね。ARというのはなんか目印に対して、なんか出てるっていうね(笑)。

コバユー: へえー。

AR三兄弟(川田): で、こういうのを基礎に、僕らいろんなネタというか作品を作ってまして、例えばこんなこともできるよということで。例えばハトですけどね。こういうものがノートの中にいます、これを…。

コバユー: とんでった!


ノートに貼られたハトのイラストのマーカーをウェブカメラで認識させると…ハトが飛んで行ってしまう手品のようなAR。

AR三兄弟(川田): そういえばこないだ、小林幸子さんに会ったんですよ僕。小林幸子さんっていうすごい人がいまして、NHKの「AR三兄弟の野望!」って番組の企画で、小林幸子さんの紅白歌合戦の衣装を拡張したんだよね。

AR三兄弟(小笠原): はい。

AR三兄弟(川田): 今年の衣装は鶴だったんですよ。すごかったよねアレね。アレを拡張する前に小林幸子さんに衣装を拡張させてくれって口説いたんだよね。控室に押しかけて。口説いたのがこの作品で…。

コバユー: うん。

AR三兄弟(川田): 小林幸子さん、たぶん悩んでるだろうなって思って。あの人第30回目から毎回紅白に出てるんですよ。6回目くらいから衣装を拡張してきて、だんだん大きくなってきて。で、40回目の時に、武田鉄矢が「コレもう舞台装置だよね。」って言ったんですよ。それでなんか水を得た様にどんどん大きくなってって、大変なことになって。衣装の膨大なストックがあるので、小林幸子さん、都内郊外に倉庫3つ借りてんすよ。で、もうどこにも収納できなくて困ってる。この断捨離の時代にね。

AR三兄弟(小笠原): これをどうする…。

AR三兄弟(川田): どうするかという解決策を僕らはこれで作ったっていう。

コバユー: え、え?

AR三兄弟(川田): これ、何が起こってるかというと、全30何回か分の衣装がここに全部収納出来るっていう。


名刺サイズの紙に印刷されたARマーカーで小林幸子さんの衣装を全て見ることができる。このARをきかっけに、NHK BS2の特番「AR三兄弟の野望!」では、小林幸子さんとのコラボARが実現した。

コバユー: えー、すごい!

AR三兄弟(川田): すごいでしょ?今回のコラボレーション全部収納出来るよコレ。コバユーの。

コバユー: あ、ぜひお願いします(笑)。

AR三兄弟(川田): 僕はもう、小林幸子さんのことメディアアーティストって呼んでるんですけど。すばらしいんですよね。この全34回くらいのやつをここに収納出来るんですって見せたら、ものすごい信用してくれたという。そういうことですね。まあそういうことばっかりやってるんですが。今まで、ARのですね、マークを今まで目印に出してたんですけど、マークを使わないパターンで、こんな作品があるんですが。これね、ARのオルゴールなんですよ。巻いて巻いて…

コバユー: えー?

AR三兄弟(川田): 巻き終ると…、オルゴールから曲が流れるんですよね。

コバユー: このオルゴールほしい。


リトルモア広場で公開されている、シリーズ連載「モノノナカ」第一弾。イラストレーターBALさんとのコラボ作品。

AR三兄弟(川田): これね、ほしいよね。BALっていう人がイラストを描いてて、曲はウチの三男が作ってんすよコレ…。

コバユー: こわれちゃった。

AR三兄弟(川田): 巻き過ぎてこわれちゃって、でちょっと…お笑いマンガ道場みたいにね…なるっていう。って、お笑いマンガ道場知らないか。え、知らないの?あんな名作を…。ということで僕らのデモというかお話終わりで、後程、作ったものは、ライブの中でお見せするということで。

AR三兄弟(小笠原): はい。

AR三兄弟(川田): お楽しみということで。

コバユー: 楽しみですとっても。物語に、入っていけるというのがARなんでしょうか。そんな気がした。

AR三兄弟(川田): そうですね…ARは、現実と仮想の間にあるものと僕は思っていて。今まで物語の中に入れなかったんですよ。その…映像としては見れたけど、歌詞の世界とか。読むことはできるけど、イメージすることはできたけど。なんか実際にその中で体現できたりとか、そういうのが今までなかったので、それが出来るものじゃないかと。

コバユー: 私もその…実は空想の世界…物語を描いたものなんですね。この曲って。だから選んでくれたのか
なって今思いました。

AR三兄弟(川田): そうですよ。

コバユー: でも、その歌ってる時はあの…自分だけはその世界に入ってるけど。聴いてる人はあまり入っていけないから、今日はもしかしたら…。みなさんを「小指ほどのPRIDE」の物語の中にAR三兄弟さんが連れてってくれるんじゃないかなと思います。

AR三兄弟(川田): はい、連れてきます。

コバユー: はい、お願いします。

※ライブの様子は以下の動画でお楽しみください。



Text by トミモトリエ / Photo by Cada, コヤナギユウ


AR三兄弟(開発ユニット)

長男こと川田十夢、次男こと高木伸二、三男こと小笠原雄による未来開発ユニット。「スマイレージ」のテレビCM出演や、アニメ「東のエデン」とのコラボで話題になり、NHK BS2で放送された特別番組『AR三兄弟の野望』では、荒木飛呂彦や小林幸子、小山薫堂らと共演。「GQ」「TV Bros.」ど様々な雑誌の表紙をジャックし、AR技術を駆使してあらゆるメディアを拡張している。

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